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忍たま・国家/擬人BL二次創作小説サイトです。 苦手な方はback please
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生物委員会恒例の毒虫大脱走でぼろぼろになった竹谷八左ェ門は五年長屋の風呂にいた。
結構遅い時間だったので誰もいないだろうと思っていたのだが、彼の予想に反し、そこには級友の鉢屋三郎と不破雷蔵がいた。
 
「おぅ、ハチ。今から風呂か?」
「今日も大変だったね。図書室から見えたよ、お疲れ様」
 
――――全く同じ顔でも発する言葉で一目瞭然だよ、三郎……
 
この身も心も双忍の二人からねぎらいの言葉(一方はそうでもないが)をうけながら竹谷は忍装束を脱いでゆく。
 
「そういやぁさぁ、ハチに関する面白い情報仕入れたんだけど…」
「なんだよ、俺に関することって。」
「単刀直入に聞くけど、おまえ、三年の伊賀崎…なんつったっけ??」
「孫兵じゃない?あの蛇をつれてる子でしょ」
「そうそう、孫兵!!…と、デキてるって話なんだけど…ほんとか???」
「あぁ、うん。そうだよ。先月の末位からかな」
「あぁ、だよなー。おれもそう思っ…て!!!!ちょ、ほんとかよ!!!!」
「だからほんとだって」
「わー、ハチよかったねvおめでとうvv」
「雷蔵、無駄にかわいいぞ!!!そうか、お前、そうか………」
「なんだよ??」
「ろりこん・・・だったんだな」
 
「「はぁ??」
 
三郎が発した耳慣れない言葉に双忍の片割れと竹谷がなんとも間抜けなこえをあげた。
 
「なんだよ、そのろりこんって」
「初めて聞く言葉だねぇ」
 
「南蛮の言葉らしいぞ。意味は、わかりやすくいうと…稚児趣味だ」
「おい、ちょっとまて!!!!!!」
「なんだよ?」
「なんで俺が稚児趣味なんだよ!!第一孫兵と俺らは二つしか違わないじゃないか!!しかも、俺だって15だぞ!?」
「そうは言うけどなぁ…ハチ。じゃあ質問するぞ」
「お、おう」
「もう孫ちゃんと夜伽はしたのか??」
「孫ちゃんいうな!!………………ぉぅ」
「まだなーんにも知らない孫ちゃんのリアクション、どうだった??」
「まぁ、その。なんだ、可愛かったぞ、ふつーに」
「そう、その!!!『何も知らない子を俺色に染めてやるぜ!!』ってのがろりこんだ!!!!ちなみに、私と雷蔵は年が同じだからろりこんではないのだな、これが。まぁ確かに、雷蔵の初めての無垢さを汚す背徳感といったらなかったのだがな。それがかわいいのなんのって…」
「んもう!!三郎!!ハチになんてこというの!!やめてよね!!」
 
バキッ!!!
 
迷い癖が難点だが、実力のある雷蔵の右ストレートが三郎に決まった。
 
「もう、僕、先に帰るから!!!!!三郎のばかばかばか!!!!!」
 
「ちょ、待てよ、雷蔵!!怒ったところもかわいい…じゃなくて!!!悪かったって!!!」
「おい、三郎、」
「なんだよ、俺、お前のせいで雷蔵に怒られちゃったじゃないか!!」
「さっきのろりこん、の話だけどさ、まぁ、俺、孫が相手ならろりこんでいーや。俺が孫を好きで、孫も俺のこと、好いてくれてるし。おれ、ろりこんだな、ははっ」
「…………からかうつもりだったけど、お前には負けたわ…」
「あ?」
「よし、ハチを鉢屋三郎の忍術学園男前ランキング1位にしといてやる!!じゃ、おれ、雷蔵の機嫌とってくる」
「なんだ、そのランキング・・・まぁ、がんばれよー」
 
 
賑やかな双忍が去った夜中の脱衣所で、無意識な男前は、年下の恋人のことを考えて。
 
(孫は美人だからなぁ……ろりこんでもいっか)
 
部屋に帰った双忍は。
 
「三郎のばかっ!!なんでハチにああいうこというの!!」
「ごめんって、これから気をつけるから!!」
「それ、前に兵助に言った時にも聞いたぁ!!!」
 
 
こうして何でもないようで何でもある夜は更けていった。

孫兵出てきてませんが・・・汗
竹孫です。彼らはほんと、甘酸っぱい青春を地でいくような恋愛をすればいいなぁ…
鉢雷は三郎が主導権にぎってるようで、実は雷蔵の尻に敷かれてたりすると萌えます!!!
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俺、食満留三郎は下級生に武道派としてしられているらしい。
用具倉庫に向かう途中、一年は組の乱太郎、きり丸、しんべえが話しているのを聞いた。
いや、ぬ、盗み聞きじゃないぞ??念のため言っとくが。聞こえてきたんだぞ!?
しかも用具委員長で手先が器用で、後輩に優しい、面倒見の良い先輩…らしい。
確かに手先は器用な方だと思う。少々のものなら自分で修繕してしまった方が早いし。
小さい子と遊ぶのも好きだな。後輩と話をするのも。…俺って忍に向いてないんじゃ……
あ、あと……その…なんていうか……なぁ…き、綺麗だ、とか・・・その…美人…らしい。自分じゃそんなことこれっぽっちも思わないけどなっ
……寧ろ目つきが悪いのとか・・・気にしてるんだけど…
それから、もうひとつ。
六年い組の鬼の会計委員長潮江文次郎と、超絶に仲が悪い………らしい……
やっぱ、そう思われてんのな…いや、さ。隠してる俺らも俺らだけど。
実は、俺と潮江は、その、お、お付き合いをしている。
 
お互い、一年のころから気に入らなくて、喧嘩ばっかりしていた。
でも、それは。
好きな子ほどいじめたくなるというか…気になってるからちょっかいかけるというか…
いっぱい喧嘩もしたけれど、やっぱり俺は文次郎が好きで。
文次郎も俺のことを好きになってくれた。
四年の末に付き合いだして、一年と少し。
忍術学年一ぎんぎんに忍者している潮江が三禁をやぶっているとなっては会計委員会それに、後輩にしめしがつかない。
潮江が時期が来るまで誰にもいわないで、内密にしておこうと言うから・・・
級友たちにも言えないでいた。(多分、仙蔵、伊作、長次あたりは勘付いてる…かな)
最初はそれでもいいと思っていた。でも、気づいちゃったんだよな。
―――付き合ってるのに変わってないって思われるって、結構しんどい。
 
はぁ……わかっちゃいたけど、改めていわれると。
あ、廊下の突き当たりから文次郎が現れた(ポケモン風)
「おぅ、食満…なんだ、お前どうした??」
うるせーお前にかんけーねーだろ。
「おい、なんだその言い草は!!おまえ、喧嘩売ってるのか!?人がせっかく心配してやってんのに」
だれもそんなこと頼んでねーだろ
「なんだぁ…??やるのか!!!?」
やらいでか!!!!
「………はぁ。今日はやめだ。そんなツラのお前とやりあってもつまんねぇ」
  悪かったな、つまんなくて。俺なんか…よ。
「ほんとにどうしたんだ、お前??今日はなんだかおかしいぞ?」
  なぁ、お前、なんで俺なんだ??
「…は??」
  俺と付き合ってるって思われるの、そんなにイヤ…なのか…??
「おい。」
  いつまでたっても…なんか、俺じゃ不満なのか??三禁を守れないからか??俺がお前といることが恥なのか??なら…おれってお前の邪魔なのか??
「…はぁ…何でそんなに落ち込んでると思ったら…そんなことかよ。いいか、よく聞け。言い訳させてもらうぞ。まず、いつまで立っても口外しないのは…仙蔵や伊作にばれたらからかわれるに決まっている。俺はもう慣れているが……お前がからかわれたりしたら、お前に迷惑がかかると思ったし…それに…俺自身に自信がないからだ。後輩からも慕われててその…お前は美人だし…綺麗…だ。そんなお前が…俺なんかと関係があると知ったらお前の価値が下がるだろう。確かにはじめは三禁だの、見栄だのが先立ていたが…今は……」
  今は……なんなんだよ
「その…一回しか言わないからな……お前が、お前のことがちゃんと好きだから。迷惑はかけられないと思ったんだよ」
  ……もんじろ……
「ったく、先走りやがって……しかも…非常に言いにくいんだが…多分…結構みんな…俺達のこと気づいてると思うぞ……??
  ……えぇ??なんだと??!
「お前がにぶいんだよ、留」
「と、いうか、鈍いのはおまえら、だな」
「「せ、仙蔵……!!!しかも長次も小平太、伊作も…!!!!いつからっ…」
「ここにいたのは、一刻ほど前だな」
  なら、お前、今の話…!!!
「ああ、ばっちり聞かせてもらったぞ。それと、だ。お前らが関係を持っていることなどとうの昔にしっていたわ。私だけでない、多分学園のほとんどが知っていると思うがな」
  なっ……
「当然だろう、お前ら、お互いがお互いを好きオーラを出しすぎなのだよ」
「うっうるせ――!!」
  でも、乱太郎、きり丸、しんべえ達は…
「あやつらは…別だろう…この際、はっきりしたからよいではないか」
「よくねーよ!!!!」
「「「でも、文次郎。」」」(もそもそ)
「わたしたちのかわいいかわいい留三郎を泣かせたら承知せんぞ」
「そうだよ、夜伽の時も留さんの体とか、考えてあげてね」
「そーだぞ!!もんじはいつもぎんぎんだからな!!とめをあまりかなしませるなよ!!」
「もそもそもそ…………優しくしてやれよ……もそもそもそ」
 
  
「おまえらなんぞに言われなくても、わかっとるわ!!」
 
「とめーもんじにあきたらいつでも俺んとこにきてねー」
「お前には滝夜叉丸がいるだろうが!!!」
「滝と留さんで両手に花じゃーん!!!」
「だれがお前にやるか!!留三郎はおれのものだ!!!」
 
「文次郎(もんじ)…やるぅwww」
 
 
今日、俺はすごく幸せだと思った。
いろんなことに理解ある友人たちに囲まれて、その、好きな人とも仲良く…??理解しあうことができたし。
きっかけをくれた一年は組の三人組にちょっとだけ、感謝したいと思った。

食満さん…ちょっとおとめすぎました…orz
彼は綺麗メ美人さんなので、みんなに猫可愛がりされていればいいと思います。
いつものように委員長が無自覚な暴君ぶりをいかんなく発揮し、その日の体育委員会も無事に…とは言い難いが、終了した。
口ぐちに疲れたー、今日のA定ってなにー?などと話しながら下級生たちはそれぞれの長屋へと戻って行った。
 
そこに七松小平太と平滝夜叉丸を残して。
 
滝夜叉丸も下級生たちに混じって、ともに長屋へと帰ろうとした。
しかし帰れなかった。
彼の瞳に、いつもいけいけどんどん、な先輩の後ろ姿が映ってしまった。
夏の終わりのノスタルジアにも似た、どこか遠くへ行ってしまいそうな…
無条件に泣きたくなるような背中がそこにはあった。
つい一刻ほど前まで、前を走りゆく小平太の背中など、いやというほど見てたのに。
さきほどの背中が太陽ならば、彼が見ている今の背中は月だ。
滝夜叉丸は声をかけることができなかった。
代わりに、小平太が彼にきづいた。
 
「なんだぁ??滝はまだ食堂にいってなかったのか!!!では、わたしといっしょにもういっかい走ろうか!!」
 
振り向いた小平太はいつもの彼であった。
 
いてもたってもいられない。遠くにいってしましそうで
 
―――――私の手の届かないところに…―――――
 
「せ、せんぱい…っ!!先輩!!………遠くに…いかないでください…」
 
それは聞き取れるかどうかもわからないほど小さな声であった。
滝夜叉丸が突然いいだした、わけのわからないことであった。
 
 
「おう。私が滝をおいてどこかにいくはずがないだろう??っていうか私がはなさないよ」
 
あまりに明るい小平太に安心して、涙が出てきそうになった。
 
―――そんなこと無理だとわかっている。先輩はもうすぐ卒業なさるし、そうなればいずれ離れ離れになる。――――

わかっている。
わかっている。
わかっている。


 
でも。
 
でも、いまは少しだけ。
 
彼のくれる無邪気さの中で、幸せな夢をみていたい、と切に願っていた。

「合戦場の弁当」(であってるかな…??)のときのように、七松先輩はギャップが素敵な人だと思います。
無邪気な顔もすれば、ちゃんと忍の顔もする。
滝夜叉丸の体育でのお母さんぶりが愛しいです←
「あいたたた・・・・って、ちょ、留さんっ!?」
 
話は5分ほど前にさかのぼる。
今日も今日とて絶好調不運の保健委員長。
委員会活動の一環であるが、もはや趣味・・・とのうわさもあるトイレットペーパー交換をしていた。
しかし、我らが不運委員を6年も勤めあげ、委員長にまでなってしまった男。
例によって例のごとく。
それはもう盛大に。
 
 
すっ転んだのである。
 
 
「うわっ・・・!!!」
 
―――やばいっ!!!ぶつかるっ・・・―――
 
地面と激突するであろう衝撃を予測し、受け身をとろうとするが、なんせ彼の両手は大量のトイレットペーパーに占領されていた。
忍者のたまごのにんたま6年であろうものであれば、トレぺを投げ出して受身をとることも簡単である。
しかし、彼はそれをしなかった。
なぜかというと。
彼の恋仲である同級の食満留三郎は用具委員長であったからである。用具すなわち学校の備品を管理する委員長とお付き合いしているのに、自分が備品を粗末に扱うなんて・・・
伊作にはできなかった。
 
 
 
そんなことを考えながら、地面との衝突を待った。
 
 
しかし。
いつまでたっても痛みがこないではないか。
かわりに、慣れ親しんだ恋人のぬくもりに包まれ、その恋人の声が頭上からふってきた。
 
 
 
「ったたたた・・・・いってー・・・・」
 
 
激突寸前の伊作と地面の間に留三郎がすべりこんで、伊作をキャッチしたのである。
そして冒頭にさかのぼる。
 
 
「あいたたた・・・・って、ちょ、留さんっ!?」
「お前、あんまりぼーっとするなよな。ったく目が離せやしねぇ。おい、痛いとこ、ないか??」
「私は大丈夫だけど・・・留さん、け、けが!!!」
 
滑り込んだときについたのであろう、かすり傷程度だが、留三郎の手の甲には血が流れていた。
 
「ちょ、見せて!!!あーぁ・・・ごめんね、私が不運なばっかりに・・・」
「そんなこと、今更だろ。俺は俺がけがするより、お前が怪我した方がいたいの。だからいいの」
「ちょ、なにそれ。まぁとにかく、見せて」
「こんなんなめてりゃ治るだろ。それより、お前、ほんとに大丈夫なのか?」
「だ、だめだよ!!傷口からバイ菌が入って化膿するおそれだってあるんだから!!もう、私は大丈夫っ!!」
「そか、それならよかった。んじゃ簡単に処置だけしてくれ。俺、まだ用具委員の仕事残ってるんだ。」
「あ、の。留さん・・・ありがと。私、もっとしっかりして気をつけるね。留さんにもけがさせちゃったし。」
「これのことは気にすんなよ。俺が勝手にやったことだからな。俺は伊作を守りたいから。」
 
「伊作のことが一番大切なんだよ。」
 
「クスクス…なにそれ…学校の備品よりも??」
「当たり前だろっ。」
 
留三郎の手が伊作の色素の薄い髪をなでた。
 
「ありがとう、留さん、大好きっ!!!じゃぁ、私、委員会にもどるねっ」
 
――ちゅっ…――
 
「おい、ちょ、伊作…」
「続きは後で…ね…??」
 
パタパタと忍者らしくない足音を立てて伊作は廊下の向こうへ消えた。
「っつー…あれは不意打ちだろっ……」
 
人気のない中庭で、一人顔を赤くする留三郎の姿があった。


二人とも(プチ)不運だけれど、不幸ではないのです。
いさっくん大好きで目にいれても痛くない留さんが書きたかったのです。
昼休み。校庭のど真ん中で。
いつもの二人によるいつものヤツがいつもどおりに開催されていた。
田村三木エ門、平滝夜叉丸両名による、喧嘩である。
―――この二人は犬猿の仲で顔を見れば喧嘩ばかりしている・・・
彼らのことをあまり知らない人ならばそう思うだろう。
しかし、彼らは、なんと。
恋仲だったのだ。

…まぁ、喧嘩ばかりしているが・・・

「うるさい!!!この馬鹿者が!!この忍術学園最優秀の滝夜叉丸の方が上に決まっておるだろう!!」
「何をっっーーー!!!過激な火器においては私に勝てんだろうが!!!」
「ハンッ!!それだけだろう!!貴様が私に勝てるのは。」
 
 
ぷつん
 
 
三木エ門の中で何かがきれた音がした。喧嘩の元ネタなどとうにどうでもよくなっている。この二人の喧嘩はある意味スキンシップなのだ。1年生のころからの恒例なので同級生達はもちろん先輩たちまで「お、またやってるな。」ぐらいにしか思わないのである。
それは三木エ門と滝夜叉丸が恋仲になっても変わらないスキンシップだった。
しかし、今回ばかりはちょっと様子が違った。
先ほどはなった滝夜叉丸の一言に三木エ門はひどく傷ついたような顔をみせた。
「………貴様が僕のことをどう思っているか、よーっくわかった。お前に敵わなくて、悪かったなっ」
「そうだそうだ!!何事においても私が忍術学園No1だか………ら……な……?」
 
 
滝夜叉丸が三木エ門の気持ちを知らず、高らかに自慢している間に三木エ門はさっさと歩いてどこかへ行ってしまったようだった。
 
 
「なんだ、あいつは……今日はすこし様子が…変…か??」
 
 
さすがの滝夜叉丸も三木エ門の異変に気づいたようである。
 
 
 
 
それからというもの。
ここ2、3日三木エ門は滝夜叉丸を避けていた。それはもう徹底的に避けていた。あの言葉―――過激な火器しか滝夜叉丸にかなうものがない―――といわれ、彼は怒っていた。彼の恋人に、ではなく自分自身にである。自分のふがいなさ、好きな子の前ではいつもかっこよくいたい…でも事実滝夜叉丸の方が優秀…(実際、三木エ門も4年生の中では相当優秀なほうなのだが)というジレンマの中にいたのである。
 
(僕じゃ、滝夜叉丸には釣り合わないのかもな…なんだかんだいって滝夜叉丸は努力しているし、優秀だ。勿論、僕だって努力してる!!!けど…)
 
 
艶やかな淡い茶色の髪。
こぼれおちそうなほどの大きな瞳。
整った顔立ち。
体育委員会に所属しているにも関わらず、焼けない白い肌。
鍛練しているのに一向にたくましくならない華奢な方…
 
など挙げたらきりがないくらい滝夜叉丸は魅力にあふれていた。
あの超ド級ナルシストな性格をさしひいてもお釣りがくるくらいに。
それこそ、あばたもえくぼで、あの性格すら可愛く思える時さえある。
 
そんな彼をモノにしたはいいが…いつ他にとられるとも限らない。
(某委員長のいけどん先輩とかさ……妙に滝夜叉丸を気に入ってるしな…)
(はぁ…)
 
 
例の騒動から4日目。田村三木エ門の憂鬱はまだ続いていた。
今日は地獄の会計委員会も予定よりはやく終わったという年にあるかないかの日なのに全く喜べないでいた。
(早く部屋に帰って寝てしまおう)
長屋の廊下を自室へ向って歩いていると。
 
 
「おいっ!!」
「・・・・あ・・・・」
 
 
会いたくないときに会いたくない人物に限って会ってしまうもので。
憂鬱の原因平滝夜叉丸とばったり。
はち合わせていた。
 
 
「……今日は委員会はどうしたのだ?」
「……終わった。」
「地獄の会計委員会にしては珍しい早い上がりではないのか?」
「…そうだな。・・・・じゃあな」
「…なっ…ちょっ…」
 
 
なんとなく自分と釣り合わない滝夜叉丸と話していたくなくて。
早々に会話を切り上げてその場を過ぎようとした、
 
 
その時。
 
「みっ…みきえもんはっ…わ、たしがきっ、きらいになったの…か??」
 
「三木……わっ、わたしはっ…なにか、お、まえにっきらわれるようなっ…
 ことをっしたの……かっ?」
 
ぐすぐすと鼻をすする音に混じり、そんな言葉が聞こえてきた。
泣いていた。あの滝夜叉丸が。自信過剰の超ド級ナルシストなあの滝夜叉丸が泣いていたのである。
 
いつもケンカする相手であるため、恋仲といっても三木エ門は滝夜叉丸の涙を見たことがなかった。
初めて見る滝夜叉丸の流した涙に三木エ門のここ4日間のくだらないジレンマはふっとんでしまったのである。
 
嗚呼。やばい。
可愛すぎる。可愛すぎるだろ、こいつ。
 
「ぐすっ……三木がっ…わ、たしのっ…ことを、さけるのが…つらいっ…
 あやまるからっ…き、きらいになら…ない…」
 
 
滝夜叉丸の言葉は最後まで言わせなかった。
だって嫌いになるはずなどないから。
4日ぶりの滝夜叉丸の体を強く、強く抱きしめた。彼のにおいを深く吸った。
もとから細かったが、それにも増して頼りなく感じた。
 
 
「………ごめん。お前に火器以外で勝てないという図星をさされて、ムキになっていた。私がお前をきらいになるわけなんてないだろう??」
 
 
三木エ門の腕の中でその事実に安心した滝夜叉丸はさらに盛大に泣いてしまった。
 
「ばっ、ばかものっ……そんなっ、こと、いきおいにきまっているっっ!!ほんとはわたしがっ!!!だれよりっ・・・・おまえを、みっ、みとめているっ…!!」
 
「ほんとに、ごめんな。くだらないことでお前を泣かせてしまった。」
「……………わたしもすまなかった。」
 
ぐすっ。ひっく。
 
「今度からできるだけ、喧嘩しないようにしような。」
「……ん。」
仲直りの証として三木エ門がその唇に口づけようとした瞬間。
声が、聞こえた。
 
「・・・仲直りも非常に結構だけどね、君たち。ここ、どこかわかってる??」
「なっ!!!綾部!!おまえ、いつから!!」
「滝ちゃんが泣き始めたくらいからかな。それより、ここ。廊下。そーゆーいちゃいちゃ行為はやめてよね。ていうか、三木。次に滝ちゃん泣かせたら、僕が貰うから。肝に銘じておいて。それから。仲直り記念に今日は僕、部屋空けるから。使ってちょーだい。滝ちゃんここ2、3日泣くわぼーっとするわで大変だったけどね。まぁ滝ちゃんの幸せは僕もうれしいから。あ、三木のためじゃないよ。」
 
「「・・・・・・・・・・・はい」」
 
 
最後は綾部に強制的にまとめられたが。
喧嘩するほど仲がいいとは言うけれど
「できればしたくないものだな、滝ちゃん」
「なっ!!!滝ちゃんと呼ぶな!!!・・・・・・・でも今日は許してやる。」
 
 
古人の格言とはあなどれないもので。
その言葉を体現している二人なのであった。
 


三木滝でしたー。いかがだったでしょうか??
滝ちゃんほどかわいい子を捕まえると、苦労するよね、絶対(笑
思春期くらいの男の子のきもちを表してみたかったんですが、撃沈orz
こんな文章でも楽しんでいただけたら幸いですvv
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Material : ミントBlue 忍者ブログ [PR]