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忍たま・国家/擬人BL二次創作小説サイトです。 苦手な方はback please
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昼休み。校庭のど真ん中で。
いつもの二人によるいつものヤツがいつもどおりに開催されていた。
田村三木エ門、平滝夜叉丸両名による、喧嘩である。
―――この二人は犬猿の仲で顔を見れば喧嘩ばかりしている・・・
彼らのことをあまり知らない人ならばそう思うだろう。
しかし、彼らは、なんと。
恋仲だったのだ。

…まぁ、喧嘩ばかりしているが・・・

「うるさい!!!この馬鹿者が!!この忍術学園最優秀の滝夜叉丸の方が上に決まっておるだろう!!」
「何をっっーーー!!!過激な火器においては私に勝てんだろうが!!!」
「ハンッ!!それだけだろう!!貴様が私に勝てるのは。」
 
 
ぷつん
 
 
三木エ門の中で何かがきれた音がした。喧嘩の元ネタなどとうにどうでもよくなっている。この二人の喧嘩はある意味スキンシップなのだ。1年生のころからの恒例なので同級生達はもちろん先輩たちまで「お、またやってるな。」ぐらいにしか思わないのである。
それは三木エ門と滝夜叉丸が恋仲になっても変わらないスキンシップだった。
しかし、今回ばかりはちょっと様子が違った。
先ほどはなった滝夜叉丸の一言に三木エ門はひどく傷ついたような顔をみせた。
「………貴様が僕のことをどう思っているか、よーっくわかった。お前に敵わなくて、悪かったなっ」
「そうだそうだ!!何事においても私が忍術学園No1だか………ら……な……?」
 
 
滝夜叉丸が三木エ門の気持ちを知らず、高らかに自慢している間に三木エ門はさっさと歩いてどこかへ行ってしまったようだった。
 
 
「なんだ、あいつは……今日はすこし様子が…変…か??」
 
 
さすがの滝夜叉丸も三木エ門の異変に気づいたようである。
 
 
 
 
それからというもの。
ここ2、3日三木エ門は滝夜叉丸を避けていた。それはもう徹底的に避けていた。あの言葉―――過激な火器しか滝夜叉丸にかなうものがない―――といわれ、彼は怒っていた。彼の恋人に、ではなく自分自身にである。自分のふがいなさ、好きな子の前ではいつもかっこよくいたい…でも事実滝夜叉丸の方が優秀…(実際、三木エ門も4年生の中では相当優秀なほうなのだが)というジレンマの中にいたのである。
 
(僕じゃ、滝夜叉丸には釣り合わないのかもな…なんだかんだいって滝夜叉丸は努力しているし、優秀だ。勿論、僕だって努力してる!!!けど…)
 
 
艶やかな淡い茶色の髪。
こぼれおちそうなほどの大きな瞳。
整った顔立ち。
体育委員会に所属しているにも関わらず、焼けない白い肌。
鍛練しているのに一向にたくましくならない華奢な方…
 
など挙げたらきりがないくらい滝夜叉丸は魅力にあふれていた。
あの超ド級ナルシストな性格をさしひいてもお釣りがくるくらいに。
それこそ、あばたもえくぼで、あの性格すら可愛く思える時さえある。
 
そんな彼をモノにしたはいいが…いつ他にとられるとも限らない。
(某委員長のいけどん先輩とかさ……妙に滝夜叉丸を気に入ってるしな…)
(はぁ…)
 
 
例の騒動から4日目。田村三木エ門の憂鬱はまだ続いていた。
今日は地獄の会計委員会も予定よりはやく終わったという年にあるかないかの日なのに全く喜べないでいた。
(早く部屋に帰って寝てしまおう)
長屋の廊下を自室へ向って歩いていると。
 
 
「おいっ!!」
「・・・・あ・・・・」
 
 
会いたくないときに会いたくない人物に限って会ってしまうもので。
憂鬱の原因平滝夜叉丸とばったり。
はち合わせていた。
 
 
「……今日は委員会はどうしたのだ?」
「……終わった。」
「地獄の会計委員会にしては珍しい早い上がりではないのか?」
「…そうだな。・・・・じゃあな」
「…なっ…ちょっ…」
 
 
なんとなく自分と釣り合わない滝夜叉丸と話していたくなくて。
早々に会話を切り上げてその場を過ぎようとした、
 
 
その時。
 
「みっ…みきえもんはっ…わ、たしがきっ、きらいになったの…か??」
 
「三木……わっ、わたしはっ…なにか、お、まえにっきらわれるようなっ…
 ことをっしたの……かっ?」
 
ぐすぐすと鼻をすする音に混じり、そんな言葉が聞こえてきた。
泣いていた。あの滝夜叉丸が。自信過剰の超ド級ナルシストなあの滝夜叉丸が泣いていたのである。
 
いつもケンカする相手であるため、恋仲といっても三木エ門は滝夜叉丸の涙を見たことがなかった。
初めて見る滝夜叉丸の流した涙に三木エ門のここ4日間のくだらないジレンマはふっとんでしまったのである。
 
嗚呼。やばい。
可愛すぎる。可愛すぎるだろ、こいつ。
 
「ぐすっ……三木がっ…わ、たしのっ…ことを、さけるのが…つらいっ…
 あやまるからっ…き、きらいになら…ない…」
 
 
滝夜叉丸の言葉は最後まで言わせなかった。
だって嫌いになるはずなどないから。
4日ぶりの滝夜叉丸の体を強く、強く抱きしめた。彼のにおいを深く吸った。
もとから細かったが、それにも増して頼りなく感じた。
 
 
「………ごめん。お前に火器以外で勝てないという図星をさされて、ムキになっていた。私がお前をきらいになるわけなんてないだろう??」
 
 
三木エ門の腕の中でその事実に安心した滝夜叉丸はさらに盛大に泣いてしまった。
 
「ばっ、ばかものっ……そんなっ、こと、いきおいにきまっているっっ!!ほんとはわたしがっ!!!だれよりっ・・・・おまえを、みっ、みとめているっ…!!」
 
「ほんとに、ごめんな。くだらないことでお前を泣かせてしまった。」
「……………わたしもすまなかった。」
 
ぐすっ。ひっく。
 
「今度からできるだけ、喧嘩しないようにしような。」
「……ん。」
仲直りの証として三木エ門がその唇に口づけようとした瞬間。
声が、聞こえた。
 
「・・・仲直りも非常に結構だけどね、君たち。ここ、どこかわかってる??」
「なっ!!!綾部!!おまえ、いつから!!」
「滝ちゃんが泣き始めたくらいからかな。それより、ここ。廊下。そーゆーいちゃいちゃ行為はやめてよね。ていうか、三木。次に滝ちゃん泣かせたら、僕が貰うから。肝に銘じておいて。それから。仲直り記念に今日は僕、部屋空けるから。使ってちょーだい。滝ちゃんここ2、3日泣くわぼーっとするわで大変だったけどね。まぁ滝ちゃんの幸せは僕もうれしいから。あ、三木のためじゃないよ。」
 
「「・・・・・・・・・・・はい」」
 
 
最後は綾部に強制的にまとめられたが。
喧嘩するほど仲がいいとは言うけれど
「できればしたくないものだな、滝ちゃん」
「なっ!!!滝ちゃんと呼ぶな!!!・・・・・・・でも今日は許してやる。」
 
 
古人の格言とはあなどれないもので。
その言葉を体現している二人なのであった。
 


三木滝でしたー。いかがだったでしょうか??
滝ちゃんほどかわいい子を捕まえると、苦労するよね、絶対(笑
思春期くらいの男の子のきもちを表してみたかったんですが、撃沈orz
こんな文章でも楽しんでいただけたら幸いですvv
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