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忍たま・国家/擬人BL二次創作小説サイトです。 苦手な方はback please
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――今宵は中秋の名月で月がきれいだ、酒でも飲まないか?
 
文次郎から突然の月見の誘いがあったのは今日の朝食でだった。
すれ違いざまに声をかけられて、驚きはしたものの、嬉しさが勝った。
「もうそんな時期か…酒は用意してあるのか?」
「ああ。団蔵のところの馬借便で届いたのを分けてもらったんだ。上等の品物だ。」
「そうか。では、俺から伊作に…」
「ばか、わかれよ。」
「…は?なにをだ??」
「………俺はお前と二人きりがいいんだよ」
「………///そ、そうか…では今夜にでも、また……」
「///おう。戌の刻に、用具倉庫の屋根の上で待ってる。」
 
食満は文次郎との月見を楽しみにしていた。
最近はなにかと騒ぎが続いていて、ゆっくり二人の恋仲らしい時間を持つことができなかったのだ。それにこの二人、会えばかなりの高確率で喧嘩になってしまう。もちろん夜の方もかなりご無沙汰であったが。
しかし、皮肉なことに大事な用がある時に限って忙しくなってしまうもので。
「食満せんぱぁーい…縄梯子がひとつ足りませぇん!!!」
「食満せんぱい、きさんたのなめくじで手裏剣がさびちゃいましたー」
「丁度いいところにいた、食満留三郎。ちょっと町までお使いを頼まれてくれ」
 
「くっそーーー!!!なんだって今日はこんなに忙しいんだよ!!!!」
(大事な用事があるのにっ!!!)
 
学園長からのお使いを済ませ、学園に向かう途中ドクタケのものに絡まれて、服がどろどろになった。
 
(せっかくの月見だし、風呂に入ってから行こう。それに、もしかしたら、そのまま、もしかするかもしれないしな……///)
 
恋人の事を考えながら、いつもよりも念いりに体を清める。
すると。
トラブルメーカーの一年は組の乱太郎がやってきた。
(……いやな予感がするぞ)
 
 
「食満せんぱぁい!!一年長屋のお風呂の屋根がぁ…!!!」
(当たった……なんなんだよーー!!!今日は!!!) 
 
もともと子供好きで面倒見のよい食満は、富松と一緒に縄梯子を探し、喜三太、しんべえと一緒に手裏剣のさびを落とし、学園長のお使いにいって、挙句の果てには一年生の風呂の屋根の修理まで完璧にやり遂げた。
 
「「「「ありがとうございましたー!!!」」」」
 
「おう、もう壊すんじゃねーぞ」
 
……
 
(―――っ!!!しまった!!!今の時間は…っ)
 
約束していたのは犬の刻。しかし時計は無情にももうすぐ亥の刻になろうとしていた。
 
(二時間も待ちぼうけくらわせちまったっ……もう、流石にいない、だろうな)
 
そう思いながらも、約束の用具倉庫の屋根の上へと急ぐ。
 
「もう、流石に、いねぇか……」
 
「おい、遅いぞ。」
 
「……っ!!!びっくりしたー!!!!おまえ、まだ…」
「せっかく待ってやってたんだ、ほら始めようぜ。今夜は月がきれいだ。喧嘩するのはもったいねぇ」
「……おう。……ありがとな。」
「どーせお前のことだがら頼まれたら断れなくて、いろんな用事しょいこんじまったんじゃねーかと思ったぜ。ほら、髪の毛も濡れたままだ。」
「あ、そういえば…風呂からあがってすぐ修理にいったから、乾かす暇なんて無かったんだ。」
「ま、俺はお前のそういうところが好きなんだけどよ。俺の好きな髪の手入れも頼むぜ。―――石鹸の匂いがする。」
「そ、そりゃ風呂に入ったから……」
「石鹸の匂いに鴉色の漆黒の美しい髪………か。酒の肴には上等すぎるぜ。」
「おまっ!!!くさいこと言ってんじゃねーよっ///!!!」
「いーじゃねーか。今夜くらい、本音言っても。髪おろしてるお前、ほんと色っぽいよ。誰にも見せたくない。どこかに閉じ込めてやりたい。」
「どうしたんだよ……なんか、いつものお前じゃないみたいだ……」
「いやか、こんな俺は。」
「いやじゃないさ、文次郎は、文次郎だからな。」
「お前もいつものお前よりもずっと素直で留じゃないみたいだ。」
「…今日くらいは…いやなのか。」
「まさか。いやなわけあるか。大歓迎だ。―――月には魔力があるというが、本当だな。どんどん不思議な感覚になっていく気がする。」
「ああ、同感だな。でも、いいんじゃないか。今日くらい。」
 
時刻は亥の刻を半刻ばかり過ぎた頃。
用具倉庫の屋根上で、月の魔力に魅せられた、二人の忍が愛を語らう。
今宵は中秋の名月。
旨い酒もつまみも手に入れた。何より一番の肴は。
風呂上がりの恋人の艶姿。
(……こんなのも、悪くねぇな)
 
風呂上がりの湯ざめも気にならない程、近くに感じる高い体温。
恋人の腕に抱かれれば、いつもの恥ずかしさが顔を潜める。
これも月の魔力だろうか、待っていてくれた恋人が。
いつにも増して愛しく感じる。
(こーゆーのも…いいかも)
 
幸せをかみしめる二人の姿がそこにはあった。
 
~おまけ~
「文次郎、お前、あんな目立つ場所でいちゃつくのはやめておけ。」
「!!!おまえ、なんで知って…!!!」
「ふっ、愚問だな。作法室からは丸見えなんだよ。」
「………お前、留三郎はからかうなよ。」
「さて、どうしようかな。」
「ちょっ!!!おい、仙蔵!!!」

 

最近、食満先輩受が気になります。
彼はデフォでかっこいいイケマンだと思っています。
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