残り香（文食満：現ﾊﾟﾛ微甘）

※アテンション※
この作品は文次郎がたばこを吸う設定となっております。
苦手な方はスルーしてください。
しかも、文食満ですが、文次郎でてきません（笑）
食満サンの回想でお楽しみださいませ。
大丈夫なかたは続きからどうぞ→

 

 

今日はサークルもなかったので大学から帰ってずっと家にいた。

その家のソファで一人この前借りてきたDVD観賞に勤しんでいた。

食満の家、そして文次郎の家。二人の家である。

 

高校を卒業し、文次郎と同じ大学に進学することになって、一人より二人のほうが家賃も生活費も浮くのでハウスシェアをすることにした。

……まぁ、いわゆる、同棲、なのだが……

その俺はなんだか気恥かしいのでシェアと呼んでいる。

 

ソファに座り、クッションを抱きしめると、嗅ぎ慣れた独特の香りがふわりと香った。

 

いくら恋人同士といっても不安なことはたくさんあった。

違う環境で育ってきたし、違う人間なのだから、ライフスタイルも違って当たり前だ。

そんな時は、高校時代からの変わらない二人のコミュニケーションとして心ゆくまで喧嘩しあった。それこそ、「目玉焼きには何をかけるか」というくだらないものから大学での講義の内容など、まじめなものまでいっぱい喧嘩して、そのたびにいっぱい仲直りして一つずつお互いのことを知っていった。

 

それに新たな発見もあった。

食満と文次郎は同じ大学に通うわけだが、学部が異なる。

文次郎は工学部で食満は法学部だった。

食満が文次郎と同棲し始めて気づいたこと。

 

文次郎は、たばこを吸う。

 

正確には、吸い始めた、ということだった。

 

工学部のレポートやゼミの研究発表、何か考え事をしている時や作業に煮詰まった時に気分転換で吸う位ではあるが。

食満はその事実を知った時、結構驚いた。

文次郎は煙草などを嫌いなタイプの人間だと思っていたからだ。

まさか、その文次郎が煙草をすうなんて。

 

それに、もう一つ発見があった。

煙草を吸う仕草は人それぞれである、ということ。

法学部の友人も吸うが、文次郎とはなぜか雰囲気が違う。

 

文次郎の方が、かっこいい、と思う。

 

惚れた欲目もあると思うが、作業中伏し目がちに煙草をふかしながら、眉間にしわを寄せて紫煙を吐く姿は絶対誰が見てもかっこいいと思う。

 

仙蔵にいったら笑われそうだが……

 

あまり本数は吸わないし、依存もしていないのでやめようと思えばやめられると言っていたが…

食満は文次郎のしぐさの他に、彼の衣服そしてこの部屋の煙草独特の匂いも好きだった。

初めは嫌いだったが、彼の衣服から香った途端、好きな匂いになった。

 

 

 

（ちくしょう、思い出しちまった）

見ているDVDの内容が全く頭に入ってこなくなった。

この部屋、ソファ、そして食満にまで彼の匂いは染みついている。

 

（くそう…早く、帰って来い…）

 

 

食満はクッションに顔をうずめて彼の帰りを願った。

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食満が文次郎のこと大好きな感じでおおくりしました。
文次郎は仕草が渋いと思います（けして老けていない!!）
そして文次郎は作業するとき、メガネをかければいい!!
食満は見慣れてるのに、いちいちドキドキすればいい!!